自然地理の入り口は地球の姿を知ることから始まります。

地球の形

地球はおおむね球形をしていますが、赤道半径の方が極半径よりわずかに長く、「回転楕円体」と呼ばれる図形に近似されます。

赤道半径が6,378km、極半径が6,357kmですが、大雑把に6,400kmと覚えておけば大丈夫でしょう。

赤道半径の方が長い理由は、遠心力によって引き伸ばされていると考えるとわかりやすいです。

このように地球の断面は楕円形をしているので経線に沿った地球一周の距離よりも赤道に沿った地球一周の距離の方が長くなります。

赤道全周は40,075km、子午線全周は40,008kmとなっており、両方ともおよそ4万kmと覚えておきましょう。

発展

 ピッタリ4万km、なんて偶然!地球万歳!というわけではなく、かつては赤道から北極までの子午線弧長(子午線に沿った距離)の10,000,000分の1を1mとして定めたからなんですね。こうして定められた1mが長さの基準だったわけですが地球が完全な球や楕円体でないことなどが原因でこれは不正確と判断され、メートル原器、特定の光の波長といった基準を経て現在では光速を基準とする定義に変わっています。微妙に4万kmに一致しないのは当時の測量技術による誤差などが原因です。

 

発展
 罫線沿いに南極から北極を通り南極に戻ってくる円のことを子午線と言いますが、緯線で作られる円を平行圏、ある点とその対蹠点(地球のちょうど裏側の点)を通る線を卯酉線(ぼうゆうせん)と呼びます。

この言い方を覚えておくと便利なことがあるかも??

 

海と陸

陸と海の全球での面積比は3:7です。陸地は北半球に集中しているため、北半球での面積比はおよそ2:3、南半球での面積比は1:4となっています。

半球のうち、最も陸面積が広い半球を陸半球、海面積が広い半球を水半球と呼ぶことがあります。

陸半球と水半球の中心は互いに対蹠点の関係にあります。

対蹠点である理由は簡単で、陸半球は陸地面積が最大であるようにとった半球ですが、地球は半球で2分割されることに注意すると、これは陸半球の反対側の半球の陸地面積が最小になるようにしてとった半球と言い換えることができます。陸地面積が最小の半球は水半球なので陸半球の中心と水半球の中心は互いに対蹠点の関係であることがわかります。

陸半球の中心はフランスのナント付近、水半球の中心はニュージーランドのアンティポディーズ諸島付近にあります。

陸半球の陸・海面積比は49:51、水半球では10:90となっており、最も陸面積の大きい半球でも半分以下であることがわかります。

 

参考文献

石黒 浩三, メートルの新しい定義について(談話室), 物理教育, 1984, 32 巻, 3 号, p. 197-

Arjun Tan, Almuatasim Alomari et Marius Schamschula, « The Earth Hemispheres and their Geoid Elevations »International Journal of Oceans and Oceanography, vol. 10, no. 2,‎ , p. 161–171

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