地理の教科書にも載っているものの存在が薄いGIS。

Geographic Information System(地理情報システム)の略ですが、これだけ聞いてもピンとは来ないでしょう。

この記事ではGISとは何なのかということを紹介します。

簡潔に言うとGISはコンピューター上で地図にまつわる物事を操作し表示できる仕組みです。

この定義からいうと、Google Mapや地理院地図といったWeb上で地図を閲覧できるサービスやカーナビなどもこれに当たることがわかります。

どのような場面でGISが力を発揮するかというと、簡単な例が教科書や自治体の文書などに乗っている統計地図です。

色を塗り分けてあったり,点で分布が示されていたり…

jSTAT MAPにより作成、地理院地図に2015年国勢調査4次メッシュ人口を重ね合わせ

上のような図、つまり地図上の点や線、面に対応したデータ(属性と呼ぶ)を合わせて表示できるのがGISの強みです。

また、高機能なものでは様々な計算をすることができ、例えば市町村ごとの人口密度を計算して表示することやボロノイ図を作ることなどができます。

ArcGIS Proで作成、東京23区内を対象に、地理院地図(淡色)に鉄道駅のボロノイ図(最も近い点が同じである領域で分割したもの)を重ね合わせたもの。 この場合最寄り駅で分割した図となる。

ここで重要になるのが重ね合わせという考え方です。

道路地図やWeb地図などでも同様ですが、私たちが使う地図には様々な情報が重ね合わされています。

例えば次のような地図。

基盤地図情報より作成

東京駅近辺の地図ですが、この地図には5枚のレイヤと言われる地図が重ね合わされています。

水涯線(水域と陸域の境目)
行政界

道路

線路
建造物

これらを重ねて上から見たものが先ほどの地図です。

このようにして作られた地図は例えば都市計画の現場や防災対策、出店する際の商圏分析など様々な用途で使われています。

理論はいいからとりあえずGISに触ってみたい!という人におすすめなのが「地図で見る統計(jSTAT MAP)」です。

これは政府が提供している、Web上で使えるGISで、だれでも簡単に使うことができます。

jSTAT MAPの使い方は以下のページで紹介しています。

統計GIS(jSTAT MAP)でGISを体験してみる

また、このサイトの記事ではもっと高機能なGISソフトであるQGISを使った内容も紹介しています。

QGISの使い方については以下のページを参照ください。

QGISの基本-インストール編-

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