山を形成する作用には褶曲・断層運動のほかにも、火山活動があります。
褶曲・断層運動についてはこちら。
火山の分類
火山には単式火山と複式火山があります。
単式火山
単式火山は比較的単純な形をした火山で、富士山などがこれに当たります。
噴火により上方向へ成長していき、円錐状や楯状等の一つの山を形成しています。
単式火山の代表例、富士山の陰影起伏図です。
複式火山
複式火山はカルデラの内部に火山が発達したような火山です。
カルデラとは火山活動により陥没・崩壊して生まれた大きなくぼみです。
カルデラの外側にある円周上の山を外輪山、内部の火山を内輪山または中央火口丘と呼びます。
複式火山の代表例、阿蘇山の陰影起伏図です。低く、平らになっている部分がカルデラの火口原と呼ばれる平野部分で、その外側が外輪山、内側が中央火口丘です。
火山湖
火山性の山地は湖を伴うことがよくあります。
カルデラ湖
カルデラの火口原全体またはそれと中央火口丘が沈水してできた湖です。カルデラそのものが大きいことから日本の湖の中でも特に大きいものが多く、また透明度が高い特徴があります。北海道・東北地方に多く見られます。
上はカルデラ湖である洞爺湖です。
火口原湖
広義ではカルデラ湖に含まれますが、火口原の一部のみが沈水している場合、特に火口原湖と呼んで区別することがあります。
上は火口原湖である芦ノ湖です。
火口湖
火口湖は単式火山の火口や、複式火山の中央火口丘の火口に水が溜まってできた湖です。
上は火口湖である蔵王の御釜です。
その他、火山地形には様々な特徴的なものがあります。
- 溶岩ドーム…粘性の高いマグマが火口直近で固まり成長したもので、著名なものに昭和新山などがあります。雲仙普賢岳噴火の時にはこれが崩壊してたびたび火砕流を引き起こしました。
- 溶岩台地…粘性の低いマグマが大量に吹き出すことで作られた台地です。インドのデカン高原などがこれに当たり、日本では香川県の屋島がこれに当たります。
- マール…小規模な爆裂火口(爆発的な噴火による漏斗状の凹地)で、水を湛えていることがよくあります。秋田県の一ノ目潟や二ノ目潟が有名です。
かつては火山の形に基づいた、シュナイダーの火山区分というものが使われていましたが、地形のみで分類するため成因が異なっても同じように分類されてしまうなどの理由から現在では使われていません。時々これが載っている教科書もあります。
しかし、現在でもその中にあったカルデラやマールといった用語は定義を改められて使われています。
参考文献
日本火山学会<http://www.kazan-g.sakura.ne.jp/J/QA/topic/topic10.html>2020年6月24日閲覧.