メサとビュートの紹介記事を書いていて気が付いたんですが、まともな写真を持っていなかったんです。
メサとビュートの紹介記事はこちら。
香川県のメサ・ビュート
香川県にはメサやビュートとされるものがいくつかあります。
国土地理院の「日本の典型地形」にも飯野山の例が挙げられていますね。
メサは侵食に強い岩層が残ってできたテーブル上の台地、ビュートはその開析が進んだものでした。
つまり、台地となる硬い地層と削られる軟らかい地層が存在することがメサを作るために必要なのです。
地質図を見ると、大きくピンク~赤で示された岩石、黄色で示された岩石、そのほか青や緑、橙で示された岩石の3種類があることが見て取れます。
このうち、ピンク~赤で示された岩石は花崗岩です。花崗岩は中に含まれる長石類が水によって粘土鉱物へと変化し、ぐずぐずに崩れてしまうため、風化すると非常にもろい岩石となります。
また、黄色で示された岩石は安山岩です。花崗岩ほど鉱物の結晶が大きくないため、風化されにくく、結果として侵食されにくい岩石です。
なお、青や緑、橙で示された箇所は堆積岩や未固結の平野、埋め立て地などです。
花崗岩(深成岩)と安山岩(火山岩)の風化
深成岩と火山岩では、深成岩の方が結晶が大きいという特徴があります。
それぞれの鉱物は固有の熱膨張率を持っており、温度を上げると岩石全体が均等に膨張するわけではありません。
結晶が大きいほど膨張幅も大きいため、応力が高まり、風化しやすくなります。
このような理由もあって花崗岩は風化しやすく、熱膨張の結果外側から剥がれ落ちる玉ねぎ状風化が見られるところもあります。
さらに、この地域の安山岩は「サヌカイト」と呼ばれる特別なものです。
サヌカイトは非常に緻密なため古代から石器などに使われたといわれています。また、たたくと非常に高い音がすることが特徴です。
このように、硬い安山岩と脆い花崗岩がともに存在するため、メサやビュートが形成されたと考えられます。
まずは飯野山です。
資料集などで見るようなビュートとは少しイメージが違いますが、なかなかにとがっています。
飯野山の南・6km付近にある地点から見た様子です。左のとがった山(ビュート)が飯野山、右の山塊(メサ)が城山、間の山塊(メサ)が金山です。メサの方はテーブル状でそれっぽいですね。
少し距離が離れてしまっているため見えにくくなってきていますが、これは有名な金刀比羅宮の本宮(標高236m)から見たものです。
左に飯野山が見えていますね。その右奥側に同じくらいの標高の山が連なっていますが、これらの山も花崗岩の上に安山岩が乗っかった同様の構造を持っており、メサと呼ぶことができます。よく見ると飯野山のようなとがった山もいくつか見えますね。
そして、これを撮っている山、つまり金刀比羅宮で沢山の人が参拝のために登る山も同じくメサです。
メサ&ビュート巡りには香川県へ是非!