目次
大地形と地質年代
大地形とは内的営力により形成された大規模な地形のことです。
営力については以下の記事をご参照ください。
大地形は大きく3種類に区分されます。
- 安定陸塊
- 古期造山帯
- 新期造山帯
これらは形成時期(造山・造陸運動を受けた時期)で区分されています。
まず見てほしいのが、以下の地質年代の年表です。
累代 | 先カンブリア代 | 顕生代 | ||||||||||||||||
地質年代 | 冥王代 | 始生代(太古代) | 原生代 | 古生代 | 中生代 | 新生代 | ||||||||||||
時期 | 46億年前 | 40億年前 | 25億年前 | 5.4億年前 | 2.5億年前 | 0.66億年前 | 現在 | |||||||||||
できごと | 生命の誕生 | 最古の岩石 | 酸素の放出 | 陸上生物の誕生 | 爬虫類の発展 | 哺乳類の発展 | ||||||||||||
大地形 | 安定陸塊 | 古期造山帯 | 新期造山帯 |
最古の岩石が太古代のものなので、太古代~原生代が安定陸塊、古生代~中生代中期が古期造山帯、中生代末期~新生代が新期造山帯という風に分けられます。
ここで注意したいのが、営力によって地形が形成された時期によって区分されているということ。
日本の山地にも古生代や先カンブリア代の岩石はありますが、それらが隆起して地形を形成したのが新生代なので日本の山地は新期造山帯に分類されます。
古期造山帯や新期造山帯などは古い用語であるため、定義がまちまちだったり違う範囲を指している場合もあります。
安定陸塊
概要
先カンブリア代に造山運動を受けて隆起した地盤です。形成当初は険しい山脈であったものの、長い間の侵食を受けて準平原となっています。
これらは楯や皿を伏せたような形をしており、楯状地と卓状地に分類されています。
楯状地
楯状地は侵食により平らになり、先カンブリア代の地盤がむき出しになっている地形を言います。
卓状地
卓状地は先カンブリア代の地盤の上に以降(古生代・中生代)の地層が堆積して台地状になっている地形を言います。
この上部の地層が浸食を受けて平らになった地形も卓状地に含まれ、特に構造平野と呼ばれます。
分布
先ほども述べましたが、この分類は古い概念であるため教科書や参考書によって異なるわけ方がされていることがあります。
楯状地
楯状地は北アメリカ北東部(カナダ楯状地)、グリーンランド、アフリカ大陸(アフリカ楯状地)、北ヨーロッパ(バルト楯状地)、オーストラリア西部(オーストラリア楯状地)、南アメリカ東部などに分布しています。
卓状地
卓状地は北アメリカ中央部、ヨーロッパ東部(ロシア卓状地)、シベリア(シベリア卓状地)、オーストラリア中央部などに分布しています。
古期造山帯
概要
古生代から中生代にかけて隆起した地盤です。現在はなだらかな丘陵地や低い山地などを形成しています。
カレドニア造山運動やバリスカン造山運動などの造山運動が著名です。
分布
アパラチア山脈、スカンディナヴィア山脈、中央・西ヨーロッパ、ウラル山脈、天山山脈、グレートディヴァイディング山脈、ドラケンスバーグ山脈などが当たります。
新期造山帯
概要
中生代末から新生代にかけて隆起した地盤です。現在でも急峻な山脈となっており、隆起が続いているところもあります。世界の高峰はたいていこれに含まれます。
アルプス=ヒマラヤ造山帯や環太平洋造山帯が代表例です。
分布
日本列島、フィリピン、インドネシア、アンデス山脈、北アメリカ大西洋岸、アリューシャン列島、カムチャッカ半島、千島列島、ヒマラヤ山脈、イラン高原、カフカス山脈、アルプス山脈などが該当します。