どうやって知るの?-意外な歴史の知識との関連性-

下の参考文献にリンクを貼っていますが、星川清親さんの「栽培植物の起源」という本では、

江戸時代の元禄時代に本草学で有名な貝原益軒の「大和本草」や万葉集日本書紀

中国南北朝時代の北魏で賈思勰(かしきょう)によって著された「斎民要術」などが参照されています。

他にも漢の武帝が匈奴の挟撃のために大月氏に派遣した張騫がしょっちゅうでてきます。

というのも高校の世界史でよく「張騫=西域の事情が判明」ってやりますけどそれに国民を支える農作物を伝えるという任務も含まれていたんですね。

また、奴隷船という言葉もでてきます。なぜかというと、奴隷を船で運ぶときの奴隷に与える作物として用いられたことからアフリカから南米に伝わったりなんてこともあったそうなんです。

 

ニンジンがオレンジ色なのはオランダのおかげ?

オレンジと言えばオランダ。世界史ではオラニエ公ウィレムなんて人がでてきますよね。

現在のオランダ王家もオラニエ=ナッサウ家というんです。スペルもOranjeでオレンジ感ありますよね。

そんなオレンジですが、ニンジンがオレンジ色をしているのはオランダ人が品種改良したからなんです。

その理由について調べたら、王家の色のオレンジにするために品種改良した説と品種改良した結果たまたまオレンジによっていった説のどちらの説もあったのでなんとも言えないです。

ですが、英語版wikipediaだとオレンジ色の名前の由来は、アラビア語を経由してサンスクリット語にまで遡るそうで、ローマ-ケルト人居住地の名前に由来するオレンジ家とは違うようです。

ちなみにサンスクリット語まで遡ると説明しましたが、それもそのはずニンジンの原産地はアフガニスタンのヒマラヤ・ヒンドゥークシュ山麓らしく、ムスリム商人がヨーロッパに伝えたそうなのでちゃんとこの経緯に沿っています。

 

名前の由来が面白い!(ほうれん草、インゲン豆、サトイモ、ヤマイモ)

ほうれん草はペルシア原産の作物で、中国からシルクロードを伝って漢の時代にペルシアから伝わったため、ペルシアの当時の中国語名の菠薐国から菠薐草となったそうです。

インゲン豆は17世紀に隠元禅師が来朝したときに中国から日本に伝えられたことが由来だそうです。

ただ、インゲン豆の由来がそれなのは確かなのですが、実際にその時もたらされたのは別種のフジマメというものだそうで関西ではフジマメをインゲン豆といったりするそうです。

サトイモは漢字で里芋と書きますが、それは古代に太平洋諸民族の渡来で伝播したものと作物用として後に伝播したものが日本に存在し、前者は野生のものを採食していたのでヤマイモ、後者の作物として渡来したものを家芋(イエツイモ)、里芋と言い分けたからだそうです。

 

意外な原産地(キュウリ、メロン、スイカ)

キュウリはヒマラヤ南部山麓が原産地だそうです。西域の胡の国から伝来したので漢名の胡瓜になったそうです。

胡といえばシルクロードの交易で活躍したイラン系のソグド人ですよね。

※時代によっては匈奴を刺したりするそうなのでこの胡がソグディアナかどうかは分かりませんが

メロンはアフリカのニジェール川沿いのギニアのあたりが原産地だと考えられているそうです。

一方、スイカはスーダンで大昔に栽培化されたそうで、4000年前の絵がエジプトに残っているそうです。

 

実は原産地違います(さつまいも・じゃがいも、キャベツ・レタス)

さつまいの原産は中米のメキシコからグアテマラにかけて、じゃがいもはペルーとボリビア国境のチチカカ湖付近です。

キャベツは地中海沿岸、レタスはトルコからパミール高原にかけた西アジア一帯です。

なんかキャラかぶってますけど微妙に原産地は違うので注意しましょう!

 

強キャラひょうたん

最後がひょうたんが肩透かし的だったと思いますが、ひょうたんはすごいやつなんです。

日本でも古くから水筒とかにするのは知っているとは思いますが、それだけ水に強いひょうたん。

実は大西洋を横断しちゃってるかもしれないんです!

というのも大昔からアフリカ南米両大陸に分布がまたがっていて紀元前3500~3300年の古代エジプトの遺跡でも紀元前1万3000年のペルーの遺跡でも痕跡が発見されているそうです。

原産地は西アフリカだそうで、南赤道海流に乗って南米に運ばれたと考えられているそうです。

 

参考文献

星川清親, 栽培植物の起源と伝播, 二宮書店, 2013.

Wikipedia-Orange(colour)

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